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「The allegory for democracy,or the hidden dream / 民主主義のための寓意、あるいは隠蔽された夢」
インスタレーション、2014
青森県立美術館にて開催される展覧会「青森EARTH2014」関連展示として、青森観光物産館アスパムの東北電力のPR施設「エネルギー館あしたを思う森ギャラリー」にてわら人形劇の上映を行った。
シャッターを閉め通常の出入り口ではなく非常口から入る構成になっている。

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「青森EARTH」は、青森県立美術館で現在開催中の、青森の大地に根ざしたアートの可能性を探究していくプロジェクトです。このプロジェクト関連展示として、出品作家・菅谷奈緒の参加による「A.Y.K.K.Project+菅谷奈緒」の藁人形劇映像を展示します。

本作は作家が福島県・土湯温泉滞在中に「かつて太子堂の裏に五寸釘が突き刺さった藁人形があった」という話を聞いたことをきっかけに制作され始めました。映像の元となるエピソードは一般から集められた、いずれも「呪いたい存在」についてのインタビューによるものです。本展ではこの藁人形劇の過去作に新作を加えて構成されます。

「A.Y.K.K.Project+菅谷奈緒」の作品は、民主主義の孕む矛盾自体をテーマに制作されます。その矛盾とは即ち、合意形成の裏に隠蔽された敵意と共存することです。「民」を「主」としながら時に、主権者不在のまま顔の見えない「総意」によって動かされることが多いように感じられる昨今の民主主義国家。近代国家の基礎と目される民主主義ですが、その形而上的概念は掴みどころを杳として示しません。それは時に時代の閉塞感や行き詰まりとして表象し、人々の心に様々な波紋を投げかけてきました。
「A.Y.K.K.Project+菅谷奈緒」は、共存と敵対の相反する概念の衝突のありようを「呪い」という個人間の営為に集約させ、達成のための呪具「藁人形」を介して鮮やかにすくい上げます。その様は「人形劇」という語りの技法でもって描出されることで、個人の願望とそれを受容/拒絶する社会のあり方を、諧謔と少しの悲哀を伴いながら、より実体を伴うものとして浮き彫りにします。

藁人形に付随する「呪い」とは何なのでしょうか。それは個人の欲望をもとに社会システムに変化を与えること、言い換えれば様々な関係における矛盾の裂け目を更新しようとする行為です。「呪い」は、人が社会的な生活を始めて以来、雨乞いの儀礼、丑の刻参り、災害のたびに現れ未来を予言する妖怪「件」の伝承等、様々な形で現代まで存続してきました。美の中の醜。醜の中の美。クリーンだとされたものが実はとんでもない災厄をまき散らすこと。「A.Y.K.K.Project+菅谷奈緒」の作品でもって、呪いのエピソードを突き付けられた私たちは次にどう行動するのか。それを考えることは縄文のシャーマニズムという野生の思考を近現代の思考と接続し、次代の思考を練り上げていくことに他なりません。本作を見た方は、その呪いの隙間にどのような社会と世界を見つけるのでしょうか。/奥脇嵩大(青森県立美術館学芸員)

 


 

「再展示/ワークショップ/トーク」
インスタレーション、2014
亀有のGallery Barcoにて1日限りの再展示を行った。
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「呪え!藁人形劇」
ワークショップ、2014
ダンサー/アーティストのトチアキタイヨウ氏が運営するcafe KUKUにて開催。
参加者が作成したシナリオをもとに藁人形劇を上演した。10799849_727278350690696_1516826565_n

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「Under Control. or Why contemporary art should be democratic

(全てはコントロール下に。もしくは、なぜ現代アートは民主的であるべきなのか)」
インスタレーション、2014 アラフドアートアニュアルでのオープンスタジオ風景。
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